元銀行員が教える年賀状は必要か不要か?

  • 年賀状を出すべき相手なのは?
  • 出さないと失礼に思われる?
  • 印刷業者の年賀状くらいなら出さないほうがいい?
  • メールやLINEじゃダメなの?

こんにちは。某元銀行員です。銀行に勤めていると、自分自身だけでなく融資先、個人のお客様などからいろいろな話を聞くことができます。その中で時代の変化が大きいと感じたのが年賀状です。

自分自身も年賀状を出す量が減りました。また取引先企業からも、他の会社って年賀状今でもきちんと出してるの?という質問を受けることもありました。

今回はそのような経験を元に、日本の伝統文化である年賀状を出すのは必要なことなのか?もう時代遅れの不要なことなのか?という点を解説してみたいと思います。

こんな人は必要!今も年賀状を出し続けています

年賀状が必要か不要か以前に、純粋に年賀状を出したくなり、面倒で仕方がないと思っている人が多いんです。

年賀状は出すべき!という立場の人でも、本音で言うと面倒くさく感じている人がかなり多く、やめられるならやめたいと思っている人は珍しくないんです。

老舗企業・店舗

老舗で長年営業をしている企業や商店は、いわばこれまでの慣習上やめられないからです。

年賀状にかかる費用も必要経費。今この時点でやめてしまうのも取引先にどう思われるか分からないので、とにかく出す、出すべきという立場です。

ただペーパーレス化など社外に対しても改革をしているという認知が広まっている企業なら、年賀状を出さないという企業、もしくは以前より大幅に減らしたというところもありましたね。

親、家の慣わしが厳しい・古風な人

都会より田舎に多いですが、まだお年寄りに威厳があるような家庭だと年賀状は必須。

しかも印刷は厳禁。墨で相手住所も書くというのも珍しくありません。なので、こういったところに嫁がれた女性が年末になると大変という話をよく聞きました。

日本古来の習い事をしている人

例えば茶道や華道。歌舞伎や能、旧道や剣道などなど…

こういった習い事で、それなりの風格のところでお世話になっている人は年賀状を出している人が多いようです。そして嫌々というより、ある意味気合を入れるといいますか、今年も頑張ります!という自分自身の気持ちの整理にもなっているようです。出す数が少なければそんなに負担にはなっていないみたいですね。

田舎出身の人

都会生まれ都会育ちで、親戚も都会にしかいない、そもそも疎遠という家庭も増えています。それに対して田舎から出てきた人は、都会の人より人のつながりに慣れています。そのため年賀状に対する喜びも感じやすく、負担に感じにくいのか出している人が多い傾向です。

ただ東京などに出てきた人で、仕事に追われてゆっくりできる時間がない人も多いです。そんな人は年賀状を出さなきゃ…と思いつつも出せていないですね。

一般企業・個人事業主

何だかんだで一般企業は年賀状を出しています。個人事業主も同じく。

これは営業ツールの側面があるのと、出しさえすればいい、特にデザインや見た目にこだわる必要もないからストレスになりづらいのも一つの理由です。

ありふれたデザインに、ありふれた文言。ただ出して受け取ってという、本当に慣習としての、悪く言えばメンツを保つための年賀状なので、お互いにドライである意味楽な世界です。

仕方なく……

必要性で、というより仕方なく出し続けている人。実はこれが一番多いパターン。

年賀状の必要性に疑問を感じつつも、いまいち捨てきれない。年賀状の良さやメリットも若干感じつつも面倒。でもやめると相手にどう思われるかなど、自分の判断でどうにもできずに毎年の慣例となっているケース。

こんな人は年賀状が必要ない?もう出していない人

年々と年賀状の販売枚数が落ち込んでいます。郵便局の人がノルマで自爆営業をしていると聞き、銀行のノルマと内容は違うけど郵便局もそうなっちゃったか…とちょっとしんみりです。

実際に年賀状が売れなくなっているんですよね。理由は面倒だからです。ではどんな人が面倒になって、年賀状なんて必要ない、不要だとということになっているのでしょうか?

完全メール・LINE派

年賀状は必要なの?というのが高まってきたのは結構昔からですが、加速したのはスマホが普及してからの印象です。やはりメール、LINEでお互いが「あけおめメール」を送信するので、何も改まって紙で年賀状って必要?となったんだと思います。

ですから個人同士、特に年代が若い人たちは年賀状のメリットを感じることがなく、なんでお金かけて面倒な印刷とかしないといけないの?となり、自然に年賀状を出さなくなっています。

年賀状を出す対象と頻繁に会う

職場の上司に年賀状を出すか出さないか?というのが毎年、社会人一面目の人の悩み。これって答えは会社次第なのですが、基本的に頻繁に会う人には年賀状を出さなくてもあまり失礼にはなりません。

だから年明けすぐにもう会うような人、交友関係が狭めですぐに顔を合わせる人しかいない、というのなら年賀状はあってもなくても大差ないでしょうね。

無駄を強く感じている人

年賀状は何となくで続いているという面もあります。そういった曖昧な文化にイラッと来る人は結構多く、そういう無駄なことは生活から省いていくべきと、若干イラ立ちながらの年賀状拒否という人もいます。

また時代の流れを強く感じる感受性が強い人も年賀状に嫌悪感を抱くようです。

世の中何でも進化してペーパーレス時代が強まり、新たな技術があるのに昔の旧態依然にこだわるのはナンセンスだと。

このあたりは個人の感性ですが、他人にどう思われようと自分の正しいと思った道を行く!というタイプの人に年賀状否定派が目立ちますね。今でも年賀状を出している人はただ単にそのように立ち回れないだけとも言えます。

人間関係が希薄・割り切っている

そもそも年賀状を出すほど交友関係がない、もしくは友人ではあるけど距離を保っているというタイプの人。こういう人は年賀状というものが、相手に近寄りすぎる性質を感じている傾向です。なので年賀状を出すことに自分自身が「いいのかな?」という疑問や、何か恥ずかしいような抵抗感を感じてしまいます。

もしくは人間関係自体を完全に割り切っていて、相手から来ようが返事も出さないという人も多くいます。相手にどうも思われても知らない。自分のスタイルじゃないということで年賀状は完全に不要と考えている人もいます。

年賀状「必要派」と「不要派」の違いはココにある

必要派=ほぼ大半が仕方なく・メンツや営業のため

年賀状は必要、もしくは出さないといけない状況にある人は、ほぼ大半が好き好んで出しているわけじゃないという点に注目。何かしら出さないといけない理由、出しておいたほうがいい理由があるんです。

つまり、面倒なんです。

準備や誰に出すかなど、デザインを考えたり文面を考えたり、宛先を書いたり……

でも出さないと問題が生じちゃう。だから必要というわけです。

だから年賀状が必要という言葉の通りではなくて、出さないと自分が困る、出しておいたほうが得策というのが必要派の大半のようです。

不要派=オン・マイ・ウェイで他人の評価を気にしない

断捨離というミニマムな生活が一部で流行っていますよね。不要なものを思い切って捨てて身軽になるスタイル。これって年賀状の不要派と同じ考えです。

例えば今は使ってないけど、もしかしたら使うかもしれないから置いておこう……と思っても保管していても、結局使わない。だからこんなものは思い切って捨ててしまうのが断捨離。

年賀状も似たものですよね。出したくないけど出さないと相手に何か言われそう、思われそうという不安があるからとりあえず出しておく。年賀状を出したからといって売上が上がるわけじゃないけど、既存客に少しでも認知されればいいかな?という不安で出しておく……

年賀状は必要という立場の人でも、何の疑問もなく出している人は少数派かもしれませんね。そんなもんなんです。

だから断捨離生活ができるような人なら、年賀状をスパッとやめることができるかもしれません。そういうのが無理なら、年賀状を出さないという極論ではなく、出すけど付き合い方を変える方向にしてはどうでしょうか?

お客様に聞いた「年賀状の苦しみから開放された」方法

銀行時代のお客様で、年賀状を大量に毎年出されていた人がいました。そんな人が、年賀状との付き合い方を変えようと大改革。今では年賀状に対するストレスなく、上手に活用されているケースです。

年賀状は海外旅行のお土産と同じ考えにした

海外旅行の際に困るのがお土産。職場や親戚、友人などに配るお土産で、誰にどれくらいの価格帯のものを渡すのか?これが結構面倒で大変。人によっては旅行の大半がこれになってしまい、何のために海外に行ったのか分からなくなるほど。

そんな悩みが多い人が実践しているのが、ばらまき用のお土産をネットで購入し、近い身内など相手のことをよく知っている、特にお世話になっている人には自分でしっかり選んだものを渡す、といった切り分け方法です。

これを年賀状にも当てはめることにより、年賀状へのストレスが激減。年賀状が持つ効果もちゃんと継続できるというわけです。

年賀状を出す相手をグループ化

具体的には以下のように分けたようです。

1.完全手書き(特に大事な人・取引先など)
2.既存デザイン・印刷済み+一言メッセージ(それなりに付き合いがあり、実際に顔を合わせることがある、会いたい人など)
3.完全既製品(とりあえず出しておきたい人)
4.廃止(お互いにもう出しているだけと思われる人)

相手をグルーピングするのは気が引ける行為にも思えますが、年賀状は出しっぱなしではなく、受け取った相手も返信するべきかどうか?という行為が発生するので、お互いにとってプラスになるように考えればいいんです。

極端な話、もう何年も会っておらず、お互いに会いたいとも思っていない相手なら、正直な話もう年賀状はお互いにお荷物です。何か大事な思い出があるのなら、これから会う可能性がゼロでも年賀状はお互いに出しておいたほうがいいでしょう。毎年の一枚が思い出を蘇らせてくれるのですから。

手書き住所も変更

この方は毛筆で住所まで手書きしていたのですが、さすがに大変になってきたので、これも一部の人にだけに変えました。

というのは、自分が受け取った年賀状で、今まで手書きだったものがパソコン印字になっても、それほど何も感じなかったからです。むしろ一言、一行のメッセージがあったほうがよっぽど心に、印象に残ったのです。だったら手書き住所じゃなくて一言メッセージの手書きのほうがいいね!となったのです。

年賀状はどうしても送る側の思い込みや不安で決まりやルールができてしまいがち。こっちがそう思っていても、相手にとってはどうってことないことが多いです。一度、自分宛てに来た年賀状で何か不快に感じたことや、不可思議に感じたことはないか思い出してみましょう。案外とないものですよ。

デザインや文言にこだわりを捨てて一言メッセージに注力

毎年年末になると年賀状作成が憂鬱……という人が多いですが、不要派のようにスパッとやめられない人が大半です。

そんな人はとにかく、悩むポイントを減らしてしまいましょう。

年賀状のデザイン、絵、文言に毎年こだわる人は多いですが、あまり力を入れても相手には思ったほど響いていません。それよりも「一言」です。人はみんなここに注目します。

だからデザイン面に関しては市販のものに任せてしまって問題ありません。一言あれば、たった一言あれば十分です。やはり人同士は言葉で繋がり伝わりますからね。

もし一言メッセージが何も思いつかない、苦慮するのなら、その人はあなたにとって、一言メッセージを添えるほどの相手じゃないと考えてしまいましょう。かなりドライな判断ですが、これはあながち間違っていません。そしてそういう相手なら、一言メッセージがあってもなくても相手は気にしていません。お互いにそうなのですから。

年賀状が必要なあなたも解放される年賀状テクニック

上記のお客様の話によると、年賀状に対するストレスから開放されただけでなく、より大事な人への年賀状作りが楽しくなったそうです。

それがきっかけで、また会ってみたいと思ってお誘いの連絡をして、長年会ってなかった人と再会したり、日常や仕事面でプラスになる出来事もあったそうです。

年賀状は義務ではなく、活用して得するもの。せっかくの風習をただの義務で終わらせるのではなく、自分のためにしてしまいましょう。

手抜き?と思われないための最低デザインを選ぶ

通信面のデザイン・文言ですが、あるルールに従えば手抜きに見えません。

一言メッセージあり・・・何でも
一言メッセージなし・・・郵便局・コンビニデザインを避ける

このルールでO.K.です。

別に郵便局などで売っているデザインのものを使ったらダメとか、それだけで手抜きに見られることはありません。ただ、送り先には同じデザインの年賀状がたくさん来るため、非常に印象に残りづらく、それだったら出しても出さなくても一緒ということにもなりかねません。

でも一言メッセージが添えていれば、そこに目が行くので非常に印象に残ります。

また送る側の気分も楽ですよね。手抜きかどうかというのは、相手にどう思われるかより自分自身の納得できるかが結構大きな問題。このルールに従えば気分も楽になると思いますよ。

デザイン・文言はネットで完全依頼

最近利用者が増えているのがネット印刷サービス。

豊富なデザインから選べるので、郵便局やコンビニで売っているデザイン年賀状よりオリジナリティが出ます。例え既存デザインであっても、他の人の年賀状に埋もれづらくなるので効果的。

中には自分でデザイン調整ができるところもあるので、より簡単にPCがやスマホ上で完結しますね。

先ほどのお客様も、手書き以外はこういったネットサービスで印刷依頼されていました。

気になる料金

印刷代は昔に比べると大幅に安くなっています。銀行時代に印刷所さんも担当していましたが、ネットを活用しないとやっていけない、価格破壊だとおっしゃられていたくらいです。

早期注文の割引中なら、カラー印刷10枚程度でもはがき代含んで2,000円ほど。100枚で7,000円ほど。つまり印刷代としては1枚20円程度からあるってことです。

年賀状は必要か不要かより、自分でメリットを感じるかどうかで判断

結局、年賀状が必要か不要かというのは、その人にとって年賀状を出すことにメリットがあるかどうかなんです。

わずかでもメリットがあるなら出したほうがいいです。必要です。

でも断捨離みたいにメリットを感じないと言い切れる状態なら、もうあなたにとって年賀状は不要なものです。

メリットは感じるけど、それ以上に作成・準備が大変。だから年賀状は嫌!というのが大半ではないでしょうか?

だから格好つけないで、楽できるところは楽する、送る相手もグループで分けちゃう。これでいいのではないでしょうか?

年賀状は日本人独特の文化であり、送らないと、きっちりしないとという性格により発展してきています。ただ社会の進化でメール等の利便性が発達、さらに人間関係の希薄化もあり状況は変わっています。

どんなものでも初期状態で永遠に続くことはないのですから、年賀状も形を多少変えても問題ないのではないでしょうか。やっぱり送らないより、送ったほうがいいことは多いのですから。うまく付き合って有効活用したいですね。